太田黒 伴雄さんTOMOO OTAGURO

山鹿市age.34

将来は、自伐林業をしながら山鹿の林業を担って行きたいです。

先祖代々所有してきた山林があるが、山の手入れはずっと他の人に依頼してきた、という実家の話はかねてから気になっていた。「とはいえ、山の作業などしたこともないし・・・」そんな思いを抱えていた時に、家族から「くまもと林業大学校」のことを聞いた。30代ならまだ間に合うかもしれない!と一念発起し、10年間在職し管理職を務めていた会社を辞め、くまもと林業大学校にチャレンジした。1年間のくまもと林業大学校の研修課程を修了した後、山鹿市にある空き家になっていた祖父の家に移り住み、今年の4月からは阿蘇森林組合の直営班として働き始めた。

生まれ育った熊本市内とは異なり、山鹿市の山村での暮らしは、昔ながらの近所付き合いが温かかった。ひとり暮らしと知っているので、ご飯を作って持って来てくれたり、コロナに罹ってしまった時も「昨日からいつもの時間に出勤していない。何かあったのか?大丈夫か?」と近所のかたが真っ先に駆け付けてくれた。「山の神」や「お地蔵様」など、地域のお祭りもあり、皆で食べ物を持ち寄り過ごすなどの昔ながらの地域の繋がりも色濃く残っているような限界集落なので、若いが来るのが皆うれしくて歓迎してくれている

今はまだ、周りの手助けがあって仕事ができているという状態なので、早く一人前になりたい。自分の担当をしっかりやって、全体を考えられるようになりたい。自分は集中型なので、今は寝ても覚めても林業ひと筋。林業は結果がわかりやすい。先輩の作業を見て、自分でもやってみながら、日々やったことのふり返りを忘れない

達成感を感じる時は、うまく伐れた、玉切りが前よりもうまくできるようになった、作業が速くなった、など「昨日できなかったことが、今日できるようになった!」という瞬間。

「すごい人って、みんな努力している。努力してるのがすごいだけ。努力あるのみ。」

将来は阿蘇での経験を生かして、自伐林業をしながら山鹿の林業を担って行くのが夢。そして、「もしも家族が持てるなら、ここで暮らしたい。でもこんな山奥に来てくれる人いるのかな?」と笑う太田黒さんでした。

優しい笑顔の土台には、一歩一歩着実に歩む姿が。
かつて祖父が住んでいた家に愛犬のラブラドールと暮らしている太田黒さん

あその山モンの1日

5:00 起床・・・犬にご飯をあげる・シャワー
5:50 出発
7:15 事務所到着・ミーティング
8:00 現場到着・仕事開始
12:00 昼食
13:00 仕事再開
17:00 仕事終了
19:00 帰宅・・・犬にご飯・シャワー
20:00 晩ご飯
洗濯
YouTubeやテレビやゴロゴロ
22:00 就寝

山モンを目指している人へのメッセージ

自分の中に芯を持って、とにかくあきらめずに。いろんな人が多い業界ですが、ぼきっと折れない強い芯を持って。継続は力なり。やるなら長く、あきらめるなら早く、と思います。

  • このコンテンツは、パンフレット「ASO NO YAMAMON WORLD」に掲載した「カメラマンが見た山モンの姿」を転載したものです。
  • 内容はパンフレット掲載時点のものになります。