徳永 満貴さんMITSUKI TOKUNAGA

小国町age.48

移住と山仕事で、暮らしも自分も大きく変わりました。

料理人としてイタリアで4年半修行した後、熊本市内でイタリア料理店を営んでいた時に獣害の話を聞いた。「自分もジビエ料理などで貢献できないか?」と考え、狩猟免許を取得。狩猟で山に入るうちに「山に詳しくなりたい」と思うようになり、飲食業を辞めるタイミングで、くまもと林業大学校へ入校。同校を卒業し、小国町森林組合に就職と同時に、熊本市内から小国町へ移り住み、林業歴も阿蘇居住歴も今年で4年目に。

山の暮らしでは、いつも身近に自然があるので「あの草が生え始めたな、あの花が咲き始めたな、あの虫が鳴き始めたな」など、いろいろな自然の変化や四季がたくさん感じられるようになった。そして、周りには、手本となる先輩がいっぱいいる。自分で野菜やお米を作り続け、人付き合いをしながらいくつになっても元気に暮らしている。「こうやって生きて行けばいいんだな。」

前職の時は、いつも時間に追われそそくさとしていた。小国に移り住み、林業に従事するようになってからは、じっくりものごとを見る、すぐにはわからないことも時間をかけて見てみる、ひと息置いてみよう、と思えるようになってきた。すると過去の「自分はできるんだ!とアピールし続けていないとダメだ」という考えもいつの間にか消え、今は自然でいられるようになってきた。

宮本武蔵が好き。最初は「勝ちたい強くなりたい」だけだったのが、いろいろな経験を経て、思いやりや優しさが出てきたり「強さって何なんだろう?」と考え方が深くなって行ったり、とにかく探究心がすごい。自分もそんな風にいろいろ気づいて行きたい。

山をきれいにしたい。山に入る時は「作業させていただきます」という気持ちで入る。長い年月をかけて育った木なので、大切に扱うよう心がけている。豊かな阿蘇の自然と先人のおかげで立派な木があり、自分たちも林業ができている。「さらに経験を積んで学び、この素晴らしい山の営みを若い人たちに繋いでいきたい。」と語る徳永さんでした。

武蔵の「石の上にも3年」は、その通りだった。3年間一生懸命やったら、ものごとが動いた。
疲れた時には小国郷の温泉というご褒美もある

あその山モンの1日

6:30 起床
神棚の水を必ず変える朝食&お弁当作り
7:20 家を出発
7:50 職場みんなでラジオ体操
8:00 現場着・仕事開始
12:00 昼食
13:00 仕事再開
17:00 仕事終了
18:00 帰宅、洗濯・洗い物
19:00 晩酌しながら夕飯づくり&夕食
20:00 お風呂、ストレッチ、読書や自分が好きなこと
22:30 就寝

山モンを目指している人へのメッセージ

集中して、どっぷり浸かれる環境を作って林業に取り組んでほしいです。そして「山で生活するってどんなことなのかな?」と興味を持って、林業だけでなく、山菜や狩猟など、いろいろ自分で紐付けていくと楽しいと思います。

  • このコンテンツは、パンフレット「ASO NO YAMAMON WORLD」に掲載した「カメラマンが見た山モンの姿」を転載したものです。
  • 内容はパンフレット掲載時点のものになります。